2000 Fiscal Year Annual Research Report
DR5遺伝子の発現機構解析と、それを用いた新しい癌予防法の開発
Project/Area Number |
12770178
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
吉田 達士 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (80315936)
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Keywords | DR5(Death Receptor 5) / p53 / プロモーター / 転写調節 / 化学予防 / 癌 / アポトーシス |
Research Abstract |
DR5(Death Receptor 5)は、癌抑制遺伝子p53の下流遺伝子であり、DR5を過剰発現させることにより様々な癌細胞にアポトーシスを誘導できる。DR5遺伝子のプロモーターを解析して発現機構を明らかにし、またプロモーターを活性化する薬剤のスクリーニングを行うことにより、癌の化学予防薬の開発を試みる計画である。そこで、DR5遺伝子のプロモーター領域をヒトゲノムライブラリーからスクリーニングし、プロモーターの基本構造を解析した。得られたプロモーター断片(2.5kbp)を、ルシフェラーゼ遺伝子の上流に組み込んだプラスミド(DR5-luc)を作製した。このプラスミドを癌細胞に導入してルシフェラーゼの酵素活性を測定した結果、このプロモーター断片が実際にプロモーター活性を持つことを確認した。さらにプロモーター上流側を断片的に短くした変異体を作製して癌細胞に導入し、ルシフェラーぜ活性を測定した結果、翻訳開始点の上流-116bpから-198bpの領域に最小プロモーター領域が含まれていると考えられた。また、プロモーター領域1.2kbpのDNA配列を明らかにしデータベースに登録した(GenBank Accession Number:AB054004)。この配列に対し、既知の転写因子のDNA結合配列とのホモロジー検索を行った結果、c-Ets2、AML-1、c-Myb、SP1のような転写因子の結合配列があることがわかった。さらに、DR5-lucを安定導入した大腸癌細胞株を樹立し、DR5遺伝子プロモーターを活性化する薬剤を、製薬会社の協力を得てハイスループットスクリーニングにより探索中である。
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