2001 Fiscal Year Annual Research Report
助産婦のラテックスアレルギー発症予防に向けた実態調査
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12770190
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐々木 美奈子 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (00302670)
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Keywords | ラテックスアレルギー / 助産婦 / 職業性アレルギー / 医療用手袋 / 手荒れ / 職務感染防止 |
Research Abstract |
都道府県看護協会を通して全国1197名の助産婦を対象としてアンケート調査を実施した。 回収数は835(回収率70%)であった。分娩介助はラテックス手袋の使用割合が高いケアであるが、実施頻度は高くなかった。一方、血液・体液への曝露の少ないケアでもラテックス手袋が使用されていた。職場でアレルギーと思われる症状を経験した者が41%、皮膚症状が最も多く、原因が手袋と答えた者は8.6%であった。仕事以外の原因も加えると、66%が何らかのアレルギーと思われる症状を経験していた。現在アレルギーの治療を受けている者105名、内、ラテックスアレルギーと診断されている者が17名(2.0%)であった。手荒れは42%がいつも気になると答えており、原因としては、頻回の手洗い、消毒剤の使用、手袋の使用が多くあげられていた。知識では、63%が少なくともラテックスアルギーについて聞いたことがあり、ラテックスがアレルゲンとなること(61%)様々な製品に使われていること(33%)ラテックス製手袋はビニール製に比べ感染防止に効果的であること(25%)が知られていた。 ラテックス製手袋の使用頻度が高く、4割が手荒れに悩み、アレノレギー既往者が6割を越えていたことから、助産婦はラテックスアルレギー発症のリスクの高い集団だと考えられる。血液・体液曝露の多いケアは頻度としては多くないため、ケアのリスクに応じて手袋の素材を選ぶ必要がある。感染防止の観点から手洗いが強調されているが、手荒れの対策も同時に行わなければならない。助産婦の仕事は血液や体液への曝露と切り離すことができないため、手袋の選択に関しては感染制御チームと協力してガイドラインなどを考えていくことが薦められる。アレルギーは発症予防が肝心であるため、ラテックスアレルギーが問題化する前に、リスク教育と手袋の選び方についての教育が必要である。また、管理者への情報提供も同時に行われるべきである。
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Research Products
(1 results)