2000 Fiscal Year Annual Research Report
コーホートを用いた心臓性突然死の危険因子の検討-虚血性心疾患との比較-
Project/Area Number |
12770192
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
田辺 直仁 新潟大学, 医学部, 助教授 (40270938)
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Keywords | 突然死 / 急性心筋梗塞 / 虚血性心疾患 / 危険因子 / コーホート / 疫学 |
Research Abstract |
【目的】虚血性心疾患の危険因子分析を目的として作成されたコーホートを用いて、原因不明の突然死(SUD)の危険因子を分析し、急性心筋梗塞危険因子との差異を明らかにする。今年度は研究初年度であり、コーホートにおけるSUDと、急性心筋梗塞(AMI)による死亡者の発生状況調査を行った。 【方法】平成5年のコーホート設定時点において虚血性心疾患に罹患していなかった8,412名中、平成10年までの予後が把握された者は7,958(93.8%)であり、死亡例は282例であった。死亡前1ヶ月間に発生した疾病に原死因としての資格を与え、原死因の発症が死の前24時間以内(1日との記載をを含む)であった24名、原死因が急性心筋梗塞(AMI)であった11名、計35名を死亡小票の閲覧によって抽出した。さらにSUDを「死亡に直結する症状の発生後24時間以内の死亡例で、原因がカルテ情報から確定できない者。」、AMIを「胸痛などの症状があり、CPKの上昇か局所的なST上昇のいずれかを伴った者で、AMI以外の原因がない者、または急性冠動脈造影によって責任病変が確認された者」と定義し、カルテ調査によってSUDとAMIの診断を確定した。 【結果】カルテ調査を完了した31名の確定診断の内訳は、AMI5例、SUD9例、他の死因17例であった。カルテ未調査4例の死亡小票上の病名は心不全2名(発症から死亡まで各々10分、1時間30分)、AMI1例(同、25分)であった。死亡小票の情報から、3症例とも本調査の定義ではSUDに含まれる可能性が高いことからSUD疑い例とした。 【次年度の予定】今回把握されたSUD確定9症例、SUD疑い3症例、計12症例をSUD群とし、コーホート設定時の情報を基に危険因子の分析を行う。また、今回把握されたAMI死亡例5例と既に発症調査が終了しているAMI生存例をあわせたAMI群17例について同様に危険因子分析を行い、SUD、AMI両者の危険因子を比較検討する。
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