2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12770202
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Research Institution | Oita University of Nursing and Health Sciences |
Principal Investigator |
村上 義孝 大分県立看護科学大学, 看護学部, 助手 (90305855)
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Keywords | 糖尿病 / 将来予測 / マルコフモデル |
Research Abstract |
本年度の研究概要は以下の2点である。 1.マルコフモデルによる患者数予測 平成12年度に構築した糖尿病合併症の患者数予測のためのマルコフモデルを利用し、患者数の将来予測をおこなった。対象者は1995年にO-18歳のインスリン依存性糖尿病(以下IDDM)患者とし、2015年までに発生する糖尿病性腎症、透析患者数の予測をおこなった。将来的な治療法の進展を考慮するため新治療である強化インスリン療法に注目し、シナリオ1:強化インスリン療法の普及が現状のまま、シナリオ2:新治療である強化インスリン療法が直線的に増加し、2015年に全患者が強化インスリン療法をうける、シナリオ3:1995年に全患者が教化インスリン療法を受ける、の3つのシナリオを作成、患者数の将来予測をおこなった。結果、2015年のIDDM患者における糖尿病性腎症患者数/透析患者数は、シナリオ1で790.5人/253.3人、シナリオ2で713.1人/231.0人、シナリオ3で418.9人/133.4人となり、強化インスリン療法の普及による腎症発生抑制の効果が示された。 2.移行率の不確実性に対する感度分析の提案 疾病の臨床経過をマルコフモデルに当てはめて患者数を推計する場合、状態間移行率の不確実性が問題となる。本研究ではこの問題に対処する方法として、状態間移行率に対し確率分布を想定したコンピュータシュミレーションによる感度解析を提案した。確率分布にはlogistic-normal分布を仮定し、既存資料のデータから平均値、分散を与え、シミュレーションをおこなった。結果、上記シナリオ1の糖尿病性腎症患者数790.5人の範囲(シミュレーションで作成された分布の5.95%点)として652.5/955.1人などと、範囲による将来予測の結果提示が可能となった。
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Research Products
(1 results)