2000 Fiscal Year Annual Research Report
全身性自己免疫疾患に対するサイトカイン(IL-12)遺伝子治療の研究
Project/Area Number |
12770234
|
Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
萩原 恵里 横浜市立大学, 医学部, 講師 (50275038)
|
Keywords | DNAプラスミド / IL-12 / 全身性自己免疫疾患 / 自己免疫発症マウス |
Research Abstract |
目的:IL-12遺伝子治療の臨床応用を最終目標とし、マウスIL-12発現プラスミドの投与量の違いにより自己免疫モデルマウスの病態がどう修飾されるかを検討した。 結果:まず、MRL/MP-lpr/lprマウスを用いマウスIL-12発現プラスミド(pIL-12)を投与し、全身リンパ節腫脹・脾腫・腎炎などの自己免疫疾患の病態を観察した。その結果、3週間毎の20μg/動物の筋注では、リンパ節へのCD4^-CD8^-T細胞の異常増殖が抑制され、全身リンパ節腫脹の軽減・脾腫の軽減・尿蛋白の減少・腎炎の組織学的所見の改善などが認められた。しかし、100μg/動物ではその効果はほとんど認められなかった(Cytokine 2000,12:1035-1041に報告)。逆にGVHDマウスでは100μgでなければ病態抑制効果は認められず、同じIL-12投与で改善される病態でありながらその必要量は全く異なっていた。特に、MRL/MP-lpr/lprマウスでは少量ほど効果的であり用量依存性は認められず、興味深い結果であった。そこで、pIL-12を1〜1000μg/動物の間で異なる用量で投与し、血清中のIL-12p40とIL-12p70を経時的にELISAにて測定した。その結果、明らかな用量依存性の血清IL-12p40またはp70の上昇は認められず、微量で変動する血清レベルをELISAで検出するには限界があるものと考えられた。そこで、プラスミド由来のIL-12mRNAのみを検出するRT-PCRの系を確立した。これによる検討は今後さらに続けていく予定である。
|