2000 Fiscal Year Annual Research Report
G1サイクリン基質の同定と機能解析-cdk3に注目して
Project/Area Number |
12770235
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
矢持 忠徳 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (80306844)
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Keywords | cdk3 / ik3-1 / 細胞周期 |
Research Abstract |
1)cdk3によるik3-1リン酸化部位の決定 in vitroあるいはin vivoでラベルしたik3-1蛋白と点突然変異の手法で3箇所のリン酸化候補部位(Ser124,Thr190,Ser274)をつぶしたik3-1蛋白質をトリプシン処理で断片化し、二次元電気泳動でリン酸化部位を検討したところ、Ser274がリン酸化部位であることが判明した。Ser274リン酸化によって引き起こされるik3-1蛋白の機能変化をアデノウイルス発現系を用いて現在検討中である。 2)ik3-1機能測定系の確立。 ik3-1特異抗体を用いてRb蛋白質あるいはCTDペプチドを基質とする免疫沈降ik3-1キナーゼ活性を測定した。その結果、両者に対して、弱いキナーゼ活性を認めた。活性が弱い理由として、ア)ik3-1はキナーゼのcatalytic subunitではあるが、その適正な基質はRbやTDとは別物であるために弱い活性となった、イ)ik3-1はキナーゼのcatalytic subunitではなく、ik3-1に細胞内で結合している未知の蛋白質の中に何らかのキナーゼ活性を持つものが存在する、以上二つの可能性がある。現在、ik3-1のcdkパートナーを同定することでこの問題を解決しようとしている。 3)cdk3の基質となる未知の蛋白質をコードする遺伝子のクローニング。 ik3-1と同様に酵母のなかで再現性をもってcdk3と結合する複数個の遺伝子の解析を進めた。その結果、サイクリンCは哺乳類細胞内で、再現性をもって、cdk3と結合することが判明した。cdk3の基質となるかどうか検討中である。
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