2000 Fiscal Year Annual Research Report
全身性エリテマトーデスにおけるCD154発現異常に関与する遺伝子配列の解析
Project/Area Number |
12770237
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
田村 直人 順天堂大学, 医学部, 助手 (20227284)
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Keywords | 全身性エリテマトーデス / CD154 / destablilizing element / 3'untranslated region |
Research Abstract |
全身性エリテマトーデス(SLE)患者と同性同年齢の健常人を対象とし検討をおこなった. 1.末梢血CD4陽性T細胞において、SLEの病態に強く関与していると考えらているCD154の発現をRT-PCR法にて検索した.SLEでは未刺激でCD154の発現が認められるのに対し、コントロール群ではCD154発現は認められなかった. 2.CD4陽性T細胞のPMA+ionomycin刺激後におけるCD154の発現は、蛋白レべル、mRNAレベルともSLE患者では健常人に比べ長時間持続した. 3.患者CD4陽性T細胞を転写抑制物質であるactinomycin D存在下で培養し、Northern blot法を用いてCD154 mRNAを検索したところ、SLEではCD154 mRNAが健常人に比べより安定化していた。 4.SLE35例,コントロール28例の末梢血から採取したリンパ球に刺激を加えmRNAを抽出し、cDNAとした。それを鋳型として、CD154安定化に関与していると考えられるCD154 3'UTR部位をPCR法にて増幅し、direct sequence法を用い、同部位の塩基配列を解析中である。現在まで明らかな塩基配列の異常は認めていない。同部位にはCA repeatが存在しrepeat数には個人差が認められるが、今のところ疾患との関連は不明である。 5.今後はさらに症例数を増やし、CD154 5'UTR部位についても検討する。また、CD154はX染色体上に存在するため、CD154 destabilizing elementsの塩基配列について、SLE家系での発症例、未発症例についての検索を行う。検索の結果、認められた塩基配列異常を有するCD154 mutant遺伝子を培養細胞に遺伝子導入し、wild typeと比較する事により、実際のmRNAのstabilizationに対する影響について検討する。
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