2000 Fiscal Year Annual Research Report
慢性関節リウマチ続発性アミロイドーシスにおけるSAA1、SAA2蛋白の研究-遺伝子多型との関連-
Project/Area Number |
12770239
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
小関 由美 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (30266837)
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Keywords | 慢性関節リウマチ / 続発性アミロイドーシス / SAA / SAA1 / SAA2 / CRP |
Research Abstract |
続発性アミロイドーシスは慢性関節リウマチ(RA)をはじめとする慢性炎症性疾患に合併する予後不良な病態である。本症では急性炎症蛋白である血清アミロイドA(SAA1、SAA2)に由来するAAアミロイドが沈着する。SAA1のγ遺伝子(SAA1.3)は続発性アミロイドーシス発症の危険因子であることが証明されたが、その機序は不明である。SAA1α、β、γのアミノ酸配列の違いによりアミロイド原性や代謝が異なるか、SAA蛋白産生量が異なる可能性が考えられる。そこで、SAA1遺伝子型の違いによる血中SAA濃度への影響をみるため、SAA蛋白をSAA1とSAA2蛋白に分離し測定した。 比較的活動性の高いRA患者53例(SAA2 genotypeはα/αで、SAA1は各genotypeのhomozygoteである例を用いた)を対象とし、炎症の程度を補正するため、SAA/CRP比を比較した。従来SAA1とSAA2の分離は容易ではなかったが、等電点電気泳動の条件を検討し、多数例の血清中のSAAの分離測定が可能になった。SAA1は、総SAAの70-100%を占め、SAA2は炎症が弱いときはほとんど検出されず、CRPが高くなるにつれ増加した。SAA1/CRP比はSAA1βで高く(9.9±5.5)、SAA1α(4.7±3.1)とγ(4.0±3.8)では低値であった。 本研究ではSAA1γのSAA1/CRP比は高値ではなかったが、マウスを用いた実験や他のアミロイドーシスでは、アミロイド原性蛋白はそうでない蛋白に比べむしろ血中濃度が低いことが報告されている。血中濃度は蛋白産生と代謝(異化)・沈着のバランスで決定されるので、今後は、SAA1蛋白の代謝、沈着の違いを検討する予定である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Koseki Y,Terai C,Kaneko H,Moriguchi M,Kamatani N, et.al: "Analysis of serum amyloid A (SAA) protein concentration in japanese patients with rheumatoid arthritis (RA)."Arthritis Rheumatism. 43(9)Suppl. S68 (2000)
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[Publications] Koseki Y,Terai C,Moriguchi M,Kaneko H,Uesato M,Kamatani N, et.al: "Influence of serum amyloid A (SAA) on lipid metabolism in patients with rheumatoid arthritis (RA)."Arthritis Rheumatism. 43(9)Suppl. S153 (2000)
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[Publications] Moriguchi M,Terai C,Koseki Y,Uesato M,Kamatani N, et al: "Influesce of genotypes at SAA1 and SAA2 loci on the development and the length of latent period of secondary AA-amyloidosis in patients with rheumatoid arthritis."Human Genetics. 105. 360-366 (1999)