2001 Fiscal Year Annual Research Report
原発性胆汁性肝硬変症におけるAMA産生の自己免疫病態としての意義
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12770279
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
深田 弘幸 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (60287282)
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Keywords | 原発性胆汁性肝硬変 / AMA / B細胞 / レセプターエデイテイング / RAG |
Research Abstract |
本研究の目的は、原発性胆汁性肝硬変症(PBC)のB細胞の高頻度なレセプターエデイテイングの有無、AMA産生B細胞のレセプターエデイテイング異常の有無を検討することにより、PBCの病態形成への自己免疫反応の関与の有無を明らかにすることである。患者さんに、血液の一部を本研究に用いることを説明し承諾を得た後に採血した検体を用い検討し以下の結果を得た。 *PBCのAMA産生B細胞におけるRAGの発現解析とその機能の検討 PBC患者末梢血からB細胞を分離し、ビオチン化PDC複合体と反応させた後に、ストレプトアビジンマグネテイックビーズを結合させ、FACSによりAMA産生B細胞を分離、それらをStaphylococcus aureus Cowan I株(SAC)とIL-2、または抗CD40とIL-10を用いて刺激した後に、RAG発現に影響を与える補体レセプター(CD21/CD35)発現解析を抗CD21/CD35モノクローナル抗体を用い検討したが、AMA産生B細胞、非産生性B細胞における補体レセプター発現の程度には差異が認められなかった。 次にAMA産生B細胞、AMA非産生B細胞および健常人B細胞を用い、それぞれにおけるRAG_1、RAG_2の発現を、特異的モノクローナル抗体を用いたウエスタンブロット法、免疫染色法および特異的プライマーを用いたRT-PCR法により解析し、タンパク、遺伝子両面から検討したが、いずれにおいてもRAGsの発現は認められなかった。 以上の結果より、PBCの自己抗体産生にはB細胞のレセプターエデイテイングが関与しないと考えられた。
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