2000 Fiscal Year Annual Research Report
ステロイド受容体型転写因子hB1Fの肝発癌への関与
Project/Area Number |
12770285
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
木村 利奈 久留米大学, 先端癌治療研究センター, 研究員 (60299518)
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Keywords | 肝癌 / HBV |
Research Abstract |
本研究では本年度、B型肝炎ウイルス(HBV)のエンハンサー領域に結合する転写因子hB1Fの発現量が癌化の過程で変化するか否かをHBV感染を認める肝癌患者の癌組織・非癌組織を用いて検討を行った。 癌組織・非癌組織におけるhB1Fのタンパク質レベルの発現量の検討を行った。そのために、hB1Fの5'側をPCR法により増幅し発現ベクターにサブクローニング後、リコンビナントhB1FのN末端部分を大腸菌内で発現させ、クロマトグラフィーによる精製を行い抗体作製のための抗原タンパクを得た。このリコンビナントhB1Fを抗原としてポリクローナル抗体を作製した。作製した抗体を用いてウエスタンブロッティングを行い、癌組織・非癌組織間のhB1Fタンパクの発現量を比較したところ、明瞭なhB1Fのバンド及び明らかな量的な差違は検出されなかった。この結果は今回作製した抗体の力価に問題がある可能性も考えられるため、抗原とする部位を変えて抗体を作製することが必要と考えられる。 癌組織・非癌組織におけるhB1FのmRNAレベルの発現量の検討を行った。癌組織・非癌組織よりRNAを調整し、PCR法により増幅したhB1Fをプローブとしてノーザンブロッティング法を行った。検出が可能であった癌組織・非癌組織の中には、癌組織において非癌組織よりhB1FのmRNAレベルが増加しているものが存在した。 今後、hB1Fのタンパク質レベルの検討を癌組織・非癌組織で行うとともに、肝癌細胞株(HepG2)で検出されている小さい分子量のhB1F mRNAの構造の解析を行う予定である。
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