2000 Fiscal Year Annual Research Report
日本人および英国白人喘息患者におけるケモカイン受容体遺伝子クラスターの検討
Project/Area Number |
12770302
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
塩見 哲也 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (50286465)
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Keywords | 喘息 / ケモカイン / 遺伝子多型 |
Research Abstract |
ケモカインとは細胞遊走能を有するサイトカイン(chemotactic cytokine)の総称であり、このうちCCケモカインに属するRANTES、エオタキシン、MCP-2、MCP-3、MCP-4は強い好酸球遊走作用を発揮している。また特定のCCケモカイン受容体がTh1/Th2リンパ球特異的に発現していることも明らかとなってきた。さらに多くのCCケモカイン受容体遺伝子が存在する染色体3p21領域に喘息原因遺伝子の存在が示唆されている。これらの事実をふまえ、本研究ではCCケモカイン受容体遺伝子群の異常が気管支喘息の発症、病態に関与しているかどうかを検討している。 平成12年度はPCR-SSCP法によるスクリーニングと直接塩基配列決定法によりCCR3遺伝子について2つのミスセンス変異と一つのサイレント変異を見いだした。これを日本人391名(喘息患者210名)と英国白人234名(喘息患者142名)においてスクリーニングし、英国白人においてCCR3遺伝子内のサイレント変異が喘息と関連すること、その関連はアトピーとは独立であることをロジスティック解析等により明らかにした。 CCR3遺伝子内のサイレント変異が喘息と関連したことは、その近傍の遺伝子に喘息と直接関連する遺伝子多型が存在する可能性を示唆する。次年度はさらにCCR3遺伝子とクラスターを形成しTh2リンパ球特異的に発現するCCR4遺伝子とTh1リンパ球特異的に発現するCCR5遺伝子について、同様のアプローチにより検討を行う予定である。
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Research Products
(1 results)