2001 Fiscal Year Annual Research Report
ノックアストマウスによるDRPLA遺伝子の機能と発現分布に関する研究
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12770311
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
小宅 睦郎 新潟大学, 医学部・附属病院, 助手 (70313559)
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Keywords | 歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症 / ポリグルタミン病 / モデル動物 / ノックアウトマウス / レポーター遺伝子 / 脊髄小脳変性症 / てんかん |
Research Abstract |
本研究の目的はポリグルタミン病の一つである歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症(DRPLA)の原因遺伝子の生理的機能を固体レベルで明らかにし、かつ時間的空間的な遺伝子発現分布パターンについて明らかにすることにより患者中枢神経系において見られる選択的神経変性との関わりを検討することにある。そのためDRPLA遺伝子ノックアウトマウスの作成を行った。この際単に標的遺伝子の欠失を行うのみでなく、DRPLA遺伝子の内在性プロモータの制御下にレポータ遺伝子を発現するような工夫を行った。容易に組織レベルで解析可能なようにレポータ遺伝子としてβgalactosidase遺伝子を用いた。 ターゲッティングベクターの構築 マウス129SvゲノムライブラリーよりマウスDRPLA c DNAをプローブとして、マウスDRPLAゲノムDNAをクローン化した。その結果エキソン1からエキソン10までを含む全長約17kb.のゲノム断片をクローン化した。このクローンについて詳細な制限酵素地図を作成した後、5側相同領域として2.4kb.を3側相同領域として7.1kb.を有するように、またDRPLA遺伝子を欠失させるためにエキソン2の翻訳開始点より上流よりレポタ遺伝子としてβgalactosidase遺伝子とネオマイシン耐性遺伝子を挿入した。 ES細胞でのジーンターゲッティングとキメラマウスの作成、ノックアウトマウスの系統樹立 エレクトロフォレーション法により2.3×107個のES細胞(CCE)を用いて遺伝子を導入した。ネオマイシンによる薬剤選択で得られた120クローンについてサザンブロット法により標的遺伝子組み換え体を検索したところ12クローンで標的遺伝子組み替えが生じていた。このうち一種類のES細胞からC57BL6の胚盤胞導入によりキメラマウスを作成したところgermline transmissionが得られた。Germline transmissionにより得られたヘテロマウスを交配し得られたマウスについてgenotypeを解析したところDRPLA遺伝子を欠失したホモ接合体が得られた。
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