2000 Fiscal Year Annual Research Report
心肥大および心筋自己抗体発現とカルシニューリンの関連
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12770361
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
土屋 昌史 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (20236912)
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Keywords | 心肥大 / 心筋線維化 / 腎性高血圧 / カルシニューリン / 刺激伝達系 |
Research Abstract |
(目的) 心肥大の機序としてcalcineurinの活性化による刺激伝達系の重要性が考えられている。本研究では心肥大モデル動物を用いて、calcineurinが心筋障害や心肥大に関連するかを解明することを目的とする。 (方法) Wistarラットの一側腎動脈を狭窄、腎高血圧性肥大(Goldblatt)ラットを作成、血圧の変化をモニタリング、心エコー法、組織学的解析により心肥大の進展を検討した。RT-PCR,法によりcalcineurineの遺伝子発現を検討した。またc-myc,c-fos,c-junの遺伝子発現を検討し、calcineurine発現が機能的なものかどうか検討した。 (結果) 術後5週で心を摘出し検討を行った。著明な血圧の上昇と心肥大の亢進を認め(心体重比control:3.2±0.2、Goldblatt:4.5±0.6)、特に心室壁の肥厚、左室内腔の狭小化を認めた。加えて広範囲な心筋線維化亢進を認めた。またANP,BNP,c-myc,c-fosのm-RNA発現亢進を認め心肥大刺激伝達系の亢進が確認された。しかしcalcineurinの発現はcontrolに比べ約1.4倍の発現亢進を認めたが有意な変化ではなかった。 (まとめ) 心肥大の著明な亢進を認めたもののcalcineurin発現の亢進はおおきなものではなかった。しかしaorta bandingモデルでcalcineurine発現が術後1-2週に認められることが最近の報告された。本モデルにおいても肥大初期により大きな変化が起こることが予想された。次年度には腎狭窄術早期の変化を中心に検討する必要がある。
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