2000 Fiscal Year Annual Research Report
新生児・乳児犬における生体内心血管機能特性とカルシウムセンシタイザーの有用性
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12770398
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
増谷 聡 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (10316739)
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Keywords | カルシウムセンシタイザー / 新生児・乳児期心不全 / 心室圧容積関係 / ミルリノン |
Research Abstract |
これまでほぼ未解明で、治療手段の限られていた新生時期・乳児期心不全の病態を明らかにし、さらに新しい治療法としてのカルシウムセンシタイザーの有用性を検討するため、今年度は新生児犬5例、幼児犬2例において、エンドトキシンショックによる急性心不全モデルを作成し、カルシウムセンシタイザーの有用性を検討した。高精度圧ワイヤーとコンダクタンスカテーテルにより心室圧容積関係を構築し、下大静脈閉塞により前負荷を変化させて心機能の変化を検討した。まず新生児犬では、エンドトキシン静注により急速な血管拡張が招来され、大量輸液を施行しながらまずドブタミンを投与した。その後ドブタミンを終了し、カルシウムセンシタイザーを投与した。ドブタミンにおける反応は血圧の維持、低下した収縮末期エラスタンスEesの改善ともに効果が飽和していると考えられたが、その後に投与したカルシウムセンシタイザーにおいてはなお改善傾向がみられた。幼児犬においても同様の傾向が認めれたが、症例数が少なく、なお検討を要すると考えられた。よりたくさんの症例で検討するため新生児・乳児のモデル動物としてラットにおいて評価できるように、小動物用の心室容積測定用コンダクタンスカテーテルおよび計測装置を導入した。今後カルシウムセンシタイザーの有用性を他の心不全の病態(プロプラノロール投与心不全モデルおよびペーシング負荷亜急性心不全モデル)においても検討し、症例数を増加させて検討を加えたい。
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