2000 Fiscal Year Annual Research Report
皮膚における免疫担当細胞の遊走に対する各種ケモカインの役割について
Project/Area Number |
12770427
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐伯 秀久 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (80235093)
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Keywords | 樹状細胞 / ランゲルハンス細胞 / CXCR5 / BLC / SLC |
Research Abstract |
1.CXC chemokine receptor 5(CXCR5)は成熟した皮膚由来の樹状細胞(migratory dendritic cells:migDC)に発現されていた:migDCがCXCR5をmRNAレベルで発現しているか否かを調べるため、定量的RT-PCRを行った。migDCのCXCR5発現量は、新鮮なランゲルハンス細胞の約50倍であり、培養したランゲルハンス細胞とはほぼ同等であった。なお、骨髄由来の成熟した樹状細胞(bone marrow-derived DC:BMDC)のCXCR5発現量は、migDCの約1/14であった。 2.migDCは化学遊走試験でB lymphocyte chemokine(BLC)に対して反応した:CXCR5がmigDCの細胞表面上に蛋白レベルで発現されており、ケモカインレセプターとして機能していることを確かめるために、化学遊走試験を行った。migDCはBLCに対して反応した(100ng/mlの濃度で、基準値の約4倍の反応)が、BMDCはBLCに対してほとんど反応しなかった。なお、BMDCはSecondary lymphoid-tissue chemokine(SLC)に対しては反応した(100ng/mlの濃度で、基準値の約8倍の反応)。 3.migDCはin vivoでリンパ節のT細胞領域のみならずB細胞領域にも遊走した:CXCR5を発現しているmigDCが、実際にリンパ節のB細胞領域に遊走するか否かをin vivoで調べるため、予め細胞膜を染色したmigDCをマウスの足底に注射し、48時間後に鼠径リンパ節を回収し、migDCのリンパ節内での分布を調べた。migDCはT細胞領域にも存在したが、約40%はB細胞領域に存在することが確かめられた。同様の実験をBMDCを用いて行ったが、BMDCはほとんど全てT細胞領域に存在した。 以上より、成熟した皮膚由来の樹状細胞は細胞表面にCXCR5を発現し、リンパ節内でT細胞領域からB細胞領域に遊走し、B細胞とも相互作用する可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Hidehisa Saeki, et al: "A migratory population of Skin-derived dendritic cells express CXCR5, responds to B lymphocyte chemoattractant in vitro, and co-localizes to B cell zones in lymph nodes in vivo."Eur.J.Immunol. 30. 2808-2814 (2000)