2000 Fiscal Year Annual Research Report
悪性黒色腫細胞の転移性を制御するための標的分子の同定
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12770441
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
吉良 正浩 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (90314335)
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Keywords | 悪性黒色腫 / B16細胞 / 転移 / 浸潤 / 接着斑 / FAK(focal adhesion kinase) / p130cas(Crk associated substrate) |
Research Abstract |
マウス悪性黒色腫(malignant melanoma)細胞株であるB16細胞およびその亜林であり転移能、浸潤性に違いのあるB16-F10(high metastatic),B16-BL6(invasive)細胞を研究対象とした。細胞と細胞外基質との接着構造である接着斑(focal adhesion)におけるシグナル伝達およびturnoverの変化が細胞の運動性、遊走能に影響を与えることが近年の研究によって次第に明らかになりつつある。そこで、接着斑(focal adhesion)におけるシグナル伝達経路の中でも、とくに、チロシンリン酸化シグナル(チロシンキナーぜ、およびそれらの基質となるアダプター蛋白など)について解析した。接着斑に存在するチロシンキナーぜFAK(focal adhesion kinase),アダプター蛋白であるp130cas(Crk associated substrate),Crk,Paxillin等について蛋白質発現量をウエスターンブロット法を用いて解析した結果、FAK、p130casの発現量と細胞の転移能、浸潤性との間に正の相関を認めた。現在、接着斑のチロシンリン酸化シグナルに関与する他の蛋白質(チロシンフォスファターゼSHP2など)についても解析を進めている。また、それら蛋白質のチロシンリン酸化状態についても免疫沈降法等を用いて解析中である。 さらに、当教室においてkeratinocyteの運動性に関与していることが明らかとなったStat3についても蛋白質発現量をウエスターンブロット法を用いて解析した結果、細胞の転移能、浸潤性との間に正の相関を認めたため、アデノウイルスベクターを用いてStat3あるいはそのmutantを発現させることによる転移能、浸潤性の変化を解析中である。
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