2000 Fiscal Year Annual Research Report
T細胞受容体ノックアウトマウスを用いた薬剤性ループスエリテマトーデス発症の試み
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12770451
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
廣井 彰久 和歌山県立医科大学, 医学部, 助手 (40316120)
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Keywords | 薬剤性ループスエリテマトーデス / T細胞受容体ノックアウトマウス / 薬剤性DLE / 5FU |
Research Abstract |
上記の研究課題に対し、今日までの研究結果を報告する。我々はC57BL/6Jマウス(B6)、B6由来のTCRα鎖ノックアウト(KO)マウスを用いて、FUの投与とUVB照射により、薬剤性DLEのモデルマウスを樹立することを試みた。方法はFUを0.2mg(low)あるいは2mg(high)を隔日に腹腔内投与した。UVB照射は200mJ/cm^2を週5回とした。実験群は次のように分類した。PBSのみの群、FU(lowまたはhigh)の群、UVBのみの群、FU(lowまたはhigh)+UVBの群である。皮膚と腎臓を抗マウスIgG、IgM及び抗体C3により免疫組織学的に観察した。結果はPBSやFU投与のみのB6群は、紅斑や角化性病変(以下皮疹)は認めず、LBT陰性。PBS+UVB照射のB6群では皮疹は認めなかったが、LBTは弱陽性。FU(0.2mg)+UVB照射のB6群では皮疹は認めなかったものの、LBTは陽性。FU(2mg)+UVB照射のB6群では、頚部に皮疹と背部に脱毛を認め、LBTも陽性。FU(0.2mg)+UVB照射群のTCRαKOでは早期に角化性の皮膚症状が出現し、皮膚LBTは強陽性で腎臓の免疫病理所見も陽性であった。結論として、FU投与のみの群では著明な変化を認めなかったことから、皮疹の出現にはUVB照射が必要であった。薬剤誘発性のDLEにおいてδT細胞が皮疹発症を増悪している可能性が考えられた。今後、TCRδ鎖KOマウスを用い、B6マウスやTCRα鎖KOマウスの結果と比較検討しようと考えている。
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Research Products
(1 results)