2000 Fiscal Year Annual Research Report
アトピー性皮フ炎マウスモデル(NC/Ngaマウス)を用いたアトピー性皮フ炎の発症機序の解析・特に肥満細胞増殖に関して
Project/Area Number |
12770456
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
須藤 一 順天堂大学, 医学部, 講師 (90286740)
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Keywords | NC / Ngaマウス / 肥満細胞 / アトピー性皮膚炎 |
Research Abstract |
NC/Ngaマウス(NCマウス)の骨髄より培養マスト細胞(BMMC)を誘導し,IL-3,IL-4に対する増殖活性を検討した.コントロールマウスとしてBALB/cマウスを使用した.NCマウスのマスト細胞はBALB/cマウスのマスト細胞と比べて,著しく高い増殖活性を示した.マウス肥満細胞の増殖.分化に対して影響を及ぼすサイトカインであるIL-3及びIL-4各々でBMMCを刺激した場合のJAK2及びJAK3のリン酸化を比較したところ,NCマウスのBMMCはBALB/cマウスのBMMCは比べて明らかにリン酸化が亢進していた.そこで,この肥満細胞の増殖活性が,肥満細胞におけるレセプターの発現が多いために起こっている現象なのか,それとも,そのレセプターよりも下流の領域に何らかの変化があるために起こっている現象なのかを確認するために,以下の検討を追加した.それぞれのリガンドに特異的なIL-3レセプターα鎖とIL-4レセプターα鎖の発現を比較検討したところ,両系統のマウスに有意差は見られなかった.このことより,この肥満細胞の増殖活性は,これらのサイトカインのレセプターには全く関係なく起こっているのか,もしくはそれ以降に変化があるために起こっていると考えられ,今後は,STATなどのより下流の因子のリン酸化を検討する予定である.また,このNCマウスの肥満細胞をセルライン化し,マウスの肥満細胞の生化学・生理学・分子生物学的検討を行う予定である.
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Research Products
(1 results)