2001 Fiscal Year Annual Research Report
放射線治療効果予測における組織酸素分圧と照射野酸素飽和度に関する研究
Project/Area Number |
12770487
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Research Institution | Shimane Medical University |
Principal Investigator |
森山 正浩 島根医科大学, 医学部, 助手 (60284048)
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Keywords | 酸素飽和度 / 生物学的効果 |
Research Abstract |
本研究は放射線治療において生体における酸素飽和度と生物学的変化及び生物学的効果との関係を検討することを目的とした。 基礎的実験を行うにあたり、兎の体幹部を包むように固定することが必要であるため資料固定具の作成を試みた。頭頸部領域の放射線治療を行う時に使用する固定具で試行した。基材はポリスチレンビーズ及び水硬性ウレタン樹脂であり、少量の水を加えることにより硬化する。あらゆる形状に対応した固定が可能であり、また、3-5分で硬化するため、短時間で作製することができる。また、放射線に対して高透過性であるため(比重:0.8,CT値:-800)資料全体を覆うような固定も可能である。安定した測定が可能と思われたが、兎体表が湿潤化するためか安定した測定環境が得られず、その他の固定法を含め、現在検討中である。一方、リアルタイムに測定した酸素飽和度値は放射線照射室外でモニタリングが必要であり、そのためのシステムを検討、開発した。放射線照射線量は線量計を用いて測定し、既存のシステムを用いて操作室でのモニタリングが可能であったが、パルスオキシメーターによる測定値はモニタリングカメラを設置することにより、操作室での観察を可能にした。また、照射室と操作室間でLANを構築することによりデータ管理を容易にした。次に、本検討は侵襲性のない測定方法であること、また、そのため患者の同意がえられやすいことを理由に臨床患者においての酸素飽和度の測定を試みた。対象患者は鎖骨上に放射線照射をしている患者で、測定部位は同側示指とした。肺が照射野に含まれる例は酸素飽和度に影響を及ぼすことが推測された。放射線エネルギーの差異による検討は他部位での測定が必要と思われる。今後、さらにデータを蓄積し、解析予定である。
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