2000 Fiscal Year Annual Research Report
透析シャント狭窄に対するバルーン拡張術時併用放射線療法における至適照射方法の検討
Project/Area Number |
12770488
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Research Institution | Shimane Medical University |
Principal Investigator |
川口 篤哉 島根医科大学, 医学部, 助手 (90314632)
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Keywords | PTA / 血管内膜損傷 |
Research Abstract |
1.データ解析ソフトウエアの開発:経皮的血管拡張術(PTA)を施行前後の血管造影写真や顕微鏡組織像を経時的に比較・検討するため、画像ファイリングソフトウェアを作成した。同ソフトウェアにはデジタル化した画像データの他、テキストデータも同時保存可能で、所見や考察の比較も容易になるようにした。さらにグループ化機能も付加した。すなわち、各画像データに最大8個のサブネームを冠することが可能で、必要に応じて各種のグループ分けやソートもできる。これにより様々な方向からの比較・検討が容易に行えるようになった。 2.資料固定具の作成:家兎を仰臥位開脚状態にして血管撮影を施行するための固定具を作成した。 3.血管内膜損傷動物モデルの作成:全身麻酔下に固定した家兎の大動脈に3Fr.心臓冠状動脈用バルーンカテーテルでPTAを施行した。PTA前後で血管造影を撮像したが、大動脈径はともに12mmで明らかな変化はなかった。しかし、PTA後の内腔面は軽度の不整を認めた。大動脈を摘出固定後H.E.染色した組織標本では血管内膜の軽度の断裂損傷が認められた。PTA手技により血管内膜損傷を惹起可能なことを確認でき、内膜損傷モデルの作成に成功した。PTA後の血管造影像と内膜の組織学的変化の相関を検討し、さらに内膜損傷治癒過程における放射線照射の影響を観察することが次年度の課題である。
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