2000 Fiscal Year Annual Research Report
老年期難治性精神障害に対する寛解維持目的電気けいれん療法の標準化
Project/Area Number |
12770516
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鈴木 一正 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (20312572)
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Keywords | 遅発性緊張病 / 老年期うっ病 / m-ECT / 継続・維持ECT |
Research Abstract |
今年度は、老年期難治性精神障害に対する寛解維持目的電気けいれん療法の標準的技法を確立するために、個々の症例(大うつ病性障害、精神分裂病緊張型)でm-ECT後の易再燃性に対して、当科で作成したプロトコールで継続・維持ECTを施行し、一例づつ報告した。 また、老年期難治性精神障害を精神分裂病緊張型群と大うつ病性障害群に対象を選択し、m-ECTの短期効果を調べた。 精神分裂病緊張型の短期効果についてはBPRSの平均改善率、治療反応率、6ヶ月再燃率を測定した。結果はBPRS改善率は77.2%、治療反応率は100%と高い治療効果を示したが、6ヶ月再燃率は60%と非常に高い結果となり、あらためてECT後に寛解維持治療の必要性が問題となった。 大うつ病性障害の短期効果についてはHAM-Dの平均改善率、治療反応率、6ヶ月再燃率を測定した。結果はHAM-D改善率は75%、治療反応率は81%と高い治療効果を示したが、6ヶ月再燃率は46%高い再燃を示し、分裂病同様、ECT後の寛解維持が問題になった。 現在はECT後に再燃した症例に今度は寛解維持目的に継続ECTを施行し、再び6ヶ月再燃率をフォローアップしている。
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