2000 Fiscal Year Annual Research Report
精神分裂病と軸索伸展抑制因子MAG遺伝子変異との関連
Project/Area Number |
12770521
|
Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
村田 昌彦 富山医科薬科大学, 医学部, 助手 (20293318)
|
Keywords | 精神分裂病 / 神経発達障害仮説 / MAG |
Research Abstract |
精神分裂病(分裂病)の発症要因の有力な仮説として、近年、神経発達障害仮説が提唱されている。われわれはこの神経発達障害仮説をもとに、神経軸索の過剰な伸展があると仮定し、この神経軸索の伸展抑制機構に注目した。神経軸索伸展抑制因子に、myelin-associated glycoprotein(MAG)がある。MAG遺伝子にはsplice variantとしてL-MAG,S-MAGの存在が知られている。そのうち中枢神経系で神経軸索伸展抑制能をもつのはL-MAGであり、特にその構造上、シアル酸結合部位により神経軸索と接触し抑制能を示すことが知られている。そこでヒト末梢血からDNAを抽出し、MAGに相当する部位をpolymerase chain-reaction(PCR)法により増幅し、さらにsingle-stranded comformation polymorphism analysis(SSCP)法によってシアル酸結合部位での変異の有無を明らかにする。変異が認められれば、それについて健常者と分裂病患者の比較検討を行う予定にしている。 平成12年度としては、これまでに富山医科薬科大学倫理委員会に実験計画を提出し、了承された。その上で健常者ならびに分裂病患者から採血をおこなっている。現在までに健常者群として55例、分裂病群として25例分の採血を行った。 健常者の試料をもちいて、MAG遺伝子の関心領域の配列をPCR法による増幅後、オートシーケンサーで確認するようにしている。これまでに行った予備実験では、安定した結果が得られることを確認した。
|