2000 Fiscal Year Annual Research Report
自殺行動における解離状態の関与を確かめ,解離性向が自殺危険因子であるかを検証する
Project/Area Number |
12770546
|
Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
張 賢徳 帝京大学, 医学部, 講師 (00297136)
|
Keywords | 自殺 / 解離性向 / 自殺未遂者 / うつ病 / 精神分裂病 / Dissociative Experience Scale / Peritraumatic Dissociative Experience Questionnaire |
Research Abstract |
平成12年度の実績は、主に対象者からのデータ収集とその入力作業である。研究デザインに変更はなく、精神科患者から自殺行動の既往を聴取することと、解離性向測定用紙(Dissociative Experience Scale)の実施、そして自殺未遂歴のある者に自殺未遂時の解離状態測定用紙(Peritraumatic Dissocoative Experience Questionaire)を実施している。現在のところ対象者数は約250名得られた(うつ病圏約150名、分裂病圏約50名、その他の疾患約50名)。 本研究の目的は、自殺未遂歴のない群とある群で解離性向(DES)を比較することと、自殺未遂歴のある群で自殺未遂時の解離状態を調べることである。前者の比較に際しては、性、年齢、自殺の家族歴など、解離ならびに自殺行動に影響すると思われる要因をある程度統制する必要があり、この統計解析に耐えうるためにさらに対象数を増やす必要がある。現在、引き続きデータ収集を行っている。 データ入力はExcelを用い、まず1次データの整理を行っている。現時点までの解析にはJMP(統計ソフト)を用い、性・年齢のみを統制した比較では作業仮説を支持する結果が得られている。今後、SPSSまたはSASの統計ソフトを用いて、さらに詳しい検証を行う予定である。 平成12年度の発表論文については、本研究の仮説検証には直接関係はないが、臨床医として自殺というテーマを扱う関係上、その予防への意識がさらに高まり、自殺予防に関する論文が産まれたことを付言しておく。
|