2001 Fiscal Year Annual Research Report
糸球体高血圧による糸球体の障害機構とその抑制についての検討
Project/Area Number |
12770600
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
近藤 聡 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助手 (10277981)
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Keywords | 腎糸球体 / 糸球体高血圧 / 遺伝子発現解析 / チロシンリン酸化 |
Research Abstract |
1.in situ hybridizationの検討準備 腎疾患の進展・増悪の指標となる,種々のサイトカイン,ケモカイン,成長因子のうちFGF, TGF-β,オステオポンチン,MCP-1, scavenger receptor-1, RANTESを選び,各因子のmRNAの発現が5/6腎摘ラットまたは肥満ラットの腎切片または単離糸球休でどのように変化しているのか,in situ hybridizationなどにより検討する準備を進めてきた。各因子のcDNA配列から特有な塩基配列を持つ部位を選び,cDNAのクローニングを行い,発現を調べた。特に有意に増加を認めたのはTGF-βであり,その他でははっきりとした差が認められなかった。 今回の検討では、この差が何を示しているのかはっきりさせることはできなかったが、コラーゲンの発現や、種々の細胞間のクロストークに関与している可能性が示唆された。 2.カルシウム動員抑制による障害抑制効果の検討準備 カルシウムの細胞内動員経路としてL型カルシウムチヤンネルおよびstretch-activated calcium channel (S-Aチャンネル)を介していることが考えられ,L型カルシウムチャンネルインヒビターであるnifedipineおよびS-Aチヤンネルのインヒビターであるgadolinium (Gd)の投与を検討したが,gadoliniumを腎不全ラットに投与した報告はなく,基礎的検討として正常ラットにGdClを投与し,副作用の発現が生じるかどうかを検討した。 3.ラット血管平滑筋細胞の機械的収縮/伸展による細胞骨格形成とpaxillinチロシンリン酸化経路についての検討 血流増加または血圧上昇による血管のリモデリングにつき検討した。ラット大動脈より平滑筋細胞を単離し,伸展刺激を加えた場合,平滑筋細胞の接着斑に局在するP125^<FAK>やその基質である細胞骨格蛋白であるpaxillinのリン酸化が生じるかどうか,ウェスタンブロット法により検討し,さらにこのリン酸化機構と細胞骨格の関係について検討した。機械的伸展により,P125^<FAK>やpaxillinのリン酸化が生じ,細胞骨格の変化も認められた。
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