2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12770602
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Research Institution | Shimane Medical University |
Principal Investigator |
八田 稔久 島根医科大学, 医学部, 助手 (20238025)
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Keywords | 外脳症 / 無脳症 / 神経管閉鎖不全 / マウス / 子宮外発生法 / 中枢神経奇形 |
Research Abstract |
妊娠中期以降のマウス外脳症胎児の発生を連続観察することが可能な実験系を確立し、外脳症から無脳症への移行に関して検討を行った。 外脳症を誘発することが知られている5-azacytidine(1mg/kg BW)を、胎齢7.5日(E7.5、膣栓確認日=E0)のJcl:ICRマウス母獣に腹腔内投与した。E13.5に子宮を切開し、胎児の外表奇形の観察と個体識別を行った後、子宮外発生法により胎児の発生を継続させ、外脳症の変化を追跡した。 E18.5において認められた無脳症は全例がE13.5では外脳症を呈していたが、E13.5における外脳症が全て無脳症に変化するわけではなく、外脳部位は縮小するものの、完全に消失しない個体など、その変化は一様ではなかった。外脳部位のサイズと形態的特徴から、E13.5及びE18.5における外脳症あるいは無脳症を数種類のタイプに分類し、それらの対応関係について調べた。E13.5における外脳部位の形態とE18.5での形態に明確な対応関係は見出せず、E13.5で認められる外表的特徴からのみでは、無脳症の成立を予測することは困難であった。そこで、E13.5に同定した外脳症胎児について、E15.5およびE18.5に組織学的および血管鋳型標本による血管構築の検討を加えた。その結果E15.5では脳底部における血管構築の乱れと出血を認め、E18.5では同部に一致した脳組織の部分的な欠落像を示す個体が観察された。 子宮外発生法による連続観察の結果から、外脳部位の変化は連続的に退縮し、周産期においても神経組織塊の残存を呈する個体が多いが、無脳症の場合はそれとは異なり、神経組織塊がある時期に突然欠落することが観察された。その機序として、脳底部で認められた血管構築の破綻と出血による、二次的な外脳部位の急激な壊死と脱落が深く関与していると示唆された。
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