2000 Fiscal Year Annual Research Report
伴性低燐血性くる病モデルマウス骨芽細胞より産生される腎の燐酸再吸収抑制物質の研究
Project/Area Number |
12770615
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
藤原 幾磨 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (10271909)
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Keywords | 低燐血性くる病 / Na-P共輸送体 / 骨芽細胞 / 近位尿細管 |
Research Abstract |
(1)生後7日齢の正常およびhypマウスよりそれぞれ前頭および側頭骨を採取、非酵素的方法により骨芽細胞を単離、継代培養に成功した。これらのマウスはSimian virus40のlarge T antigenのトランスジェニックマウスであり、それから得られた細胞は不死化細胞である。これら正常およびhypマウス由来骨芽細胞を培養し、培養開始後3、6、10、14、17日にそれぞれ培養液(conditioned medium,CM)を採取、冷凍保存した。 (2)腎細胞(OK細胞)を6穴プレートに培養、confluentとなったのち培養液2mlのうち正常およびhypよりのCM0.2mlを混合したものに交換、各2、4、8、24時間後の細胞成分内のサイクリックAMPを測定したが、正常群、hyp群でサイクリックAMPの上昇に有意差はみられなかった。サイクリックAMPの反応は培養日数(3〜17日)により正常群、hyp群で差違を認めなかった。以上の結果から、我々が想定している、骨芽細胞由来のリン調節因子は、サイクリックAMP以外の因子を介して近医尿細管でのリン再吸収を抑制していることが示唆された。 (3)今後はまず、CMによりOK細胞のNa-P共輸送体(NPT2)の発現が実際に変化するかどうかを検討する必要がある。また、顕微蛍光測定法による細胞内カルシウム濃度の測定、RIキットによるprotein kinase C活性測定などサイクリックAMP以外のセカンドメッセンジャーを調べていく予定である。
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