2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12770644
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
織田 直久 藤田保健衛生大学, 医学部・内科・内分泌代謝科, 講師 (80308858)
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Keywords | インスリン遺伝子 / 糖尿病 / シグナルペプチド / 多遺伝子疾患 |
Research Abstract |
糖尿病のcommon diseaseあるいは多遺伝子疾患としての原因遺伝子は明らかにされていません。現在、多遺伝子疾患としての原因遺伝子ついて検討しています。当院通院中の患者の協力を得て、糖尿病患者のDNAサンプルを集め、平成12年度は糖尿病に関連すると考えられるインスリン遺伝子異常について、DNAレベルでの検討をABI377のシークエンサーを用いて、約70人のスクリーニングを行いました。結果はインスリン遺伝子のシグナルペプチドを認識するDNA上の配列に、Ala(GCA)>Thr(ACA)の点変異を持つ2人の糖尿病患者とDNA上の配列でイントロン、プロモーター領域に糖尿病患者の各1人ずつに点変異を確認しました。またシグナルペプチド部位に点変異を持つ2人の患者の家族内の調査を行ない、1家系において同様な変異が3姉妹に確認され、糖負荷試験による血糖、インスリン、C-ペプチドおよびプロインスリンなどの測定に協力して頂き、またスクリーニングをした約70人の臨床の検査結果を含め、論文を作製して受理されました(Metabolism 2001 in press)。 しかし、重要な変異として考えているインスリン遺伝子のシグナルペプチド部位の変異は単一遺伝子異常としての糖尿病は示しませんでした。1家系において変異が3姉妹に確認され、糖負荷試験の結果は、1人が糖尿病、1人が耐糖能障害でもう一人は正常でした。変異を持たない2人の姉妹と1人の息子はすべて正常でした。この結果より多遺伝子疾患としての原因遺伝子異常に関連するにではないかと考えて、症例を増やすか、他の遺伝子異常との関連を検討するか、蛋白質としての機能異常を確認することを今後の課題としています。
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