2000 Fiscal Year Annual Research Report
エストロゲンレセプターを標的とするユビキチンリガーゼのクローニング
Project/Area Number |
12770673
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
緒方 晴樹 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助手 (60267581)
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Keywords | エストロゲンレセプタ / ユビキチンリガーゼ / BRCA1 / BARD1 |
Research Abstract |
エストロゲンレセプター(ERa)を標的とするユビキチンリガーゼを同定するため、われわれは2つの方法でアプローチした。1つはERaの転写活性を抑制することが報告されている家族性乳癌の原因遺伝子BRCA1がユビキチンリガーゼ活性を有するかどうか、もう1つはERaのユビキチン依存性タンパク質分解に影響を与える細胞内修飾、について解析した。その結果、われわれはBRCA1のRING finger domainが、もう一つのRING fingerタンパク質、BARD1とともにヘテロダイマーとして高いユビキチンリガーゼ活性を持つこと、さらに従来報告されている家族性乳癌におけるBRCA1のミスセンス変異がユビキチンリガーゼ活性を完全に死活させることを発見した(J.Biol.Chem,in press)。一方、ERaはエストロゲン(E2)刺激にてユビキチン依存性に分解されることが報告されているが、今回のわれわれの研究により、これは細胞によって異なることが判明した。293T細胞を用いた遺伝子移入による一過性発現の系では、ERaタンパク質はE2によって著明に安定化し、ERE(estrogen response element)によって不安定となり、この際のタンパク質分解は26Sプロテアソーム依存性であった。ERaのユビキチン化にはユビキチンリガーゼとともに、これらの修飾が必要と考えられ、現在それぞれの条件下でのBRCA1-BARD1のERaに対するユビキチンリガーゼ活性を解析中である。
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