2001 Fiscal Year Annual Research Report
消化器癌の発育進展に及ぼす抗酸化酵素(SOD)の役割と抗癌剤効果予測に関する研究
Project/Area Number |
12770677
|
Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
安田 光宏 福岡歯科大学, 歯学部, 助手 (90269043)
|
Keywords | SOD (superoxide dismutase) / 胃癌 / 大腸癌 / cytokine induced nitric oxide synthetase (iNOS) / 予後 / 免疫組織染色 |
Research Abstract |
【消化器癌組織におけるSOD発現の臨床病理学的特徴】 1)大腸癌24例の組織中のSOD活性をNBT還元法で測定した。癌組織のSOD活性は正常粘膜より明らかに高い値を示し、さらにリンパ節転移陽性例やStage III-IVの進行大腸癌では有意に上昇していた。したがって、大腸癌の発育進展に癌組織の産生するSODが関与している可能性が示唆され2)胃癌61例の免疫組織学的検討を行った結果、MnSODの染色性が低下している腫瘍は、浸潤型、未分化型が有意に多かった。 【大腸癌におけるcytokine induced nitric oxide synthetase (iNOS)発現の臨床的意義】 大腸癌54例のiNOSに対する免疫染色を行い臨床病理学的に検討したところ、iNOS陽性例ではリンパ節転移が有意に多く病期の進行した例が多い傾向がみられた。また、右側結腸症例では左側症例より有意に陽性率が高かった。 【消化器癌の進展制御に及ぼす抗酸化物質の臨床的意義】 胃癌大腸癌症例の末梢血中の各種抗酸化物質の測定を行った。癌患者の血中SODは正常より高い傾向が見られたが、血中カタラーゼは低値であった。各種ビタミンなどの抗酸化物質も含めて、さらに検討を続ける予定である。
|
Research Products
(1 results)
-
[Publications] Nozoe T, Yasuda M, et al.: "Immunohistochemical expression of cytokine induced nitric oxide synthase in colorectal carcinoma-With special references to large bowel obstruction"Oncology Report. (in press). (2002)