2000 Fiscal Year Annual Research Report
慢性肝疾患に対する発想を変えた新しい治療を目指して
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12770703
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
金 哲宇 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (20266612)
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Keywords | 混合spheroid / 腎臓 / 移植 / 慢性肝障害 |
Research Abstract |
本研究ではend stage liver disease特に慢性肝疾患の肝不全に臓器移植以外の方法をその生体内に求めた点にその特色がある。肝臓を一臓器と考えると、その構築となる非実質細胞の役割を無視できない。また従来の脾臓への生着を考慮すると、その組織構築類似性から類洞内皮細胞(HSEC)が重要な役割を担っていると考えた。そこで混合spheroid(ここでは肝細胞+HSEC、分化形質を長期間維持する凝集塊)を利用し、排泄、解毒、免疫学的機能を有する腎臓への生着を試みた。また腎臓は生体内に二つあり、またもし胆汁が生成されるのなら尿管を胆汁流出路と考えたわけである。すでに我々は腎臓被膜に混合spheroidを移植後10ヵ月後にその生着を確認しており、今回は再確認およびその機能を含め現在進行中である。現段階では混合spheroidは肝細胞単独、肝細胞+非実質細胞、肝細胞+HSECのspheroidを正常ラットの肝臓、経門脈、脾臓、腎臓実質および被膜に移植し約7ヶ月が経過している。またその生着部位の確認後、膵臓通過後の門脈と腎動脈のできるだけ末梢との吻合を考慮、さらには尿管と小腸と吻合したモデルに応用する予定である。またこれと同時進行に四塩化炭素(CCl4)慢性肝障害モデルを作成し、効果的な混合spheroidをCCl4投与開始時および非可逆的となる24週に移植し、また移植初期および生着後に前述した吻合モデルを用い、AST,ALT,T.Bil.,PT,HPT,NH3,血糖値、生存率を検討し、さらには組織学的検討を行う。確認実験に時間が費やされているがその終了後は円滑に実験が進む準備がある。
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