2000 Fiscal Year Annual Research Report
リン酸カルシウムセメントと海綿骨のコンポジットによる骨再生硬化型生体材料の開発
Project/Area Number |
12770781
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
西井 孝 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (70304061)
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Keywords | リン酸カルシウムセメント / 同種骨 / 骨形成 / コンポジット / 生体材料 |
Research Abstract |
リン酸カルシウムセメントと同種海綿骨のコンポジットの生体内埋入後の吸収と骨再生を評価するため、本材料のウサギへの埋入試験を行った。 重量%で40%の同種骨細片をリン酸カルシウムセメントに混合し硬化させたものをコンポジット材料として使用した。20週令雌日本白色家兎の両側大腿骨顆部に作成した骨孔に、(1)群には右側リン酸カルシウムセメント100%、左側コンポジット、(2)群には右側:同種骨100%、左側:コンポジット、をそれぞれ埋入した。3週、6週、12週、24週、でsacrificeし、脱灰HE染色標本にて、graftの辺縁部と中心部での骨形成を評価した。術後12週以上経過したものについては、3週、6週、12週、18週、24週でのX線像より、経時的なリン酸カルシウムセメント、コンポジット、同種骨のradiodensityの変化を観察した。 radiodensityの定量評価では、リン酸カルシウムセメント100%では、経時的radiodensityの低下は認めなかったが、コンポジット、同種骨群では6週以降、経時的にradiodensityの低下が認められた。 組織評価では、3週より、リン酸カルシウムセメント100%群、コンポジット群の辺縁部に骨形成が認められた。リン酸カルシウムセメント100%群では、24週を経過してもグラフト内部の骨形成は認められなかった。コンポジット群ではグラフトのひび割れにそって内部へ血管新入が生じ、コンポジット内のリン酸カルシウムセメントの吸収と同種骨の吸収、添加骨形成が生じていた。同種骨群では3週より吸収窩の形成と添加骨形成が認められ、24週では大部分が正常骨髄組織に置換されていた。 リン酸カルシウムセメントを同種骨とのコンポジットとすることで、グラフト内部への血管新生が生じ、リン酸カルシウムセメントのより早期の吸収が促されることが示唆された。
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