2000 Fiscal Year Annual Research Report
骨代謝における骨細胞を中心とした細胞情報伝達機構の解明
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12770785
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
竹内 一裕 岡山大学, 医学部, 助手 (30304306)
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Keywords | 骨細胞 / 骨芽細胞 / 細胞内情報伝達機構 / カルシウムチャンネル / 細胞内カルシウム濃度 / Vitamin D3 / ステロイド / 共焦点レーザー顕微鏡 |
Research Abstract |
本研究は、骨細胞を中心とした骨代謝についての研究であり、その中で得に情報伝達機構の一つである細胞内カルシウム濃度の変化に注目している。またVitamin D3は骨代謝において重要なホルモンであるが、その作用としてオステオカルシンの合成など遺伝子を介するもの(genomic reaction)と、細胞膜カルシウムチャンネル活性など瞬時におこるnon-genomic reactionが知られている。 まず、Mikuni-Takagakiらの方法によって、ラット胎児よりの骨細胞単離を行った。骨細胞収集率はまだ低いものの、樹状突起の発達した細胞が得られており、またこれら細胞は免疫染色にてオステオカルシンが豊富にあることを確認した。次にカルシウムindicator(Fura-3AM)を用い、flow cytometerにて単離した細胞群にVitamin D3を加え、カルシウム上昇傾向のあることが確かめられたが、細胞の単一性の問題が避けられない。よって、共焦点レーザーを用い、蛍光顕微鏡下に単一細胞におけるカルシウム濃度変化の検討に移行した。現在さらにLynda F.Bonewaldより了解を得、骨細胞cell line(MLO-Y4)を用い、至適条件設定および骨細胞としての反応の最終確認を予定している。 この後、再度primary culture cellを用い、同一個体より単離した骨細胞と骨芽細胞での反応の差異について、カルシウムチャンネル活性効果ある各種ホルモン(副腎皮質ホルモン、性ホルモンなど)や、細胞外カルシウムの変化や、メカニカルストレスなどの環境条件を変更して実験を進めていく。これらの結果は、骨細胞originにつながる可能性があるものと考えている。
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