2000 Fiscal Year Annual Research Report
力学的負荷が骨コラーゲン代謝と骨強度に及ぼす影響に関する研究
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12770801
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
斉藤 充 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (50301528)
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Keywords | 力学的負荷 / 骨コラーゲン / 骨強度 |
Research Abstract |
本研究は、骨に対する荷重負荷および重力負荷の増減が、骨コラーゲンの物理化学的特性にあたえる影響、を分子レベルで詳細に検討することにより、宇宙環境利用の際に問題なる骨の粗鬆化に伴う骨強度低下の機序をコラーゲン代謝の面から解明し、骨脆弱化の予防および治療法の開発をめざすものである。 MC3T3-E1細胞をコンフルエント後2週間培養し、細胞が十分マトリックスを産生じた後に、クリノスタット(回転数1Orpm)を用いて、微小重力環境下に3日、7日間培養し、マトリックス層を採取した。その結果、3日後の細胞数に変化は認められなかったが、7日間刺激した群では細胞数は対照群に比べて有意に減少していた。単位DNA量当たりのコラーゲン量も減少していた。コラーゲン架橋結合に関しては、刺激群において全架橋結合量は対照群と比べて有意に低値であり、また、還元性架橋結合に対する非還元性架橋結合量の低値が認められた。これらのことから、微小重力環境下においては、その刺激期間が長期に及ぶと、これまでの報告にあるように、細胞の一部がアポトーシスを起こし、細胞数は減少するものと考えられた。また、コラーゲン代謝の面からは、微小重力かにおいては、コラーゲン産生は減少し、コラーゲン架橋結合の成熟化も抑制されることが判明した。
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