2000 Fiscal Year Annual Research Report
気道平滑筋における炎症性サイトカインによる気道過敏性亢進に対するケタミンの効果
Project/Area Number |
12770836
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
堀田 訓久 自治医科大学, 医学部, 助手 (70322401)
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Keywords | 気道平滑筋 / サイトカイン / ケタミン |
Research Abstract |
炎症性サイトカインによる気道過敏性の亢進における静脈麻酔薬ケタミンの効果を明らかにするための実験として、エンドトキシン刺激による気道での炎症性サイトカインの発現増大に対してケタミンがどのような効果を持つかを検討した。 9週齢のラットを用い、ケタミン(2mg/kg,10mg/kg)または生理食塩水(対照)を筋肉内投与した後、炎症性サイトカインの産生を刺激するためにlipopolysaccharide(LPS)を腹腔内または気管内に投与した。2時間または4時間後にbronchoalveolar lavage fluid(BALF)を採取し、BALF中の炎症性サイトカインTNF-αの発現を、ELISA法を用いて測定した。 BALF中のTNF-αは、LPSの腹腔内および気管内投与により上昇した。TNF-αの上昇はLPS1mgの腹腔内投与と比較してLPS100μgの気管内投与の方が大きかった。ケタミン10mg/kgの前投与は、LPSの腹腔内投与によるTNF-αの発現上昇を抑制しなかった。現在、LPSの気管内投与の実験を継続している。 ケタミンが気道におけるエンドトキシン誘導生炎症性サイトカインの産生を抑制する知見が得られたならば、tissue bathシステムを用いてケタミンの存在下および非存在下に炎症性サイトカインで前処理したラット気管平滑筋組織の収縮弛緩反応を観察する予定である。
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