2000 Fiscal Year Annual Research Report
ミダゾラムと好中球のアポトーシス:SIRS患者における検討
Project/Area Number |
12770840
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
後藤 幸子 帝京大学, 医学部, 助手 (20276710)
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Keywords | 集中治療 / 鎮静 / サイトカイン / アポトーシス / SIRS |
Research Abstract |
本研究の目的は、集中治療において使用される鎮静薬が、集中治療を要する患者の免疫等にどのような影響を及ぼすかについて検討することである。ミダゾラム、プロポフォールを初めとする鎮静薬が免疫系に様々な影響を及ぼすことが知られているが、これを実際に集中治療の現場で比較、評価した報告はない。 1.当院集中治療センターに入院し、人工呼吸下の鎮静を必要とする患者を対象とした。患者あるいは家族より承諾を得、基本的に曜日によって、(1)ミダゾラム群、(2)プロポフォール群、(3)塩酸モルヒネ群の3群に分けた。 2.当施設のflowcytometryを使用できる状態にし、techniqueを習得した。Neutrophil apoptosisを各患者にて比較することを当初の予定に入れるも、疾患の違い、重症度の違い、使用される薬剤の違い、鎮静を導入する時期の違いと数々の要素があり鎮静薬による差をみるのに十分な検体数を得ることは一つの施設では困難であると判断した。この為、できるだけ多くの検体を集め、処理できるELISAを用いることとした。現在検体を収集中である。 3.一方、HUVEC(human umbilical vein endothelial cell)を用いたin vitroの実験を平行して行った。SIRS(systemic inflammatory response syndrome)においてARDS(acute respiratory response syndrome)等の臓器障害を引き起こす原因の一つにTNF-αを始めとするcytokineが血管内皮細胞に与える影響がある。この影響を鎮静薬がどのように変化させるかについて検討した。本年度はミダゾラムについて行ったが、ミダゾラムは、TNF-αによって出現する接着因子(E-selectin)の発現量を有為に減少させた。
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