2000 Fiscal Year Annual Research Report
卵胞刺激ホルモン受容体遺伝子導入顆粒膜細胞との共培養による未熟卵子の成熟化
Project/Area Number |
12770903
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
藤田 和之 新潟大学, 医学部・附属病院, 助手 (80219005)
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Keywords | 顆粒膜細胞 / FSH受容体 / 未熟卵子 / 遺伝子治療 / アデノウイルスベクター |
Research Abstract |
未熟雌ラット(21日齢)にdiethylstilbestrolを1日1回4日間皮下注し、26日齢で屠殺し、卵巣を無菌的に摘出、26G針にて卵胞を穿刺し、顆粒膜細胞を採取し培養した。FSH受容体数を125I-FSHを用いたbinding assay法により測定した。また顆粒膜細胞の機能の指標としてFSH刺激によるE2産生能を測定した。一方、ヒトFSHR遺伝子をアデノウイルスに組み込んだ組換えアデノウイルス(Ad-FSHR)を作成、培養1日目にMOI10にて顆粒膜細胞に導入し、同様にFSH受容体数、E2産生能を測定した。FSH受容体数は培養0日目は4874/cellであり、FSH刺激によりE2が3078pg/ml産生された。3日目のFSH受容体数は2176/cell、E2産生量も306pg/mlと減少し、7日目ではFSH受容体は692/cellと約1/7に減少、E2産生量も126pg/mlと約1/24にそれぞれ経時的に減少した。一方、Ad-FSH受容体導入顆粒膜細胞では、3日目では受容体数が7206/cell、E2産生は4253pg/mlと未導入細胞と比較して有意に増加、培養7日目においてもFSH受容体数が1734/cellと未導入細胞の約3倍発現しており、E2産生量も547pg/mlと未導入細胞の約4倍産生されていた。以上により、顆粒膜細胞は培養7日目ではFSH受容体の数が減少し、E2産生能が低下するが、FSH受容体遺伝子導入により、顆粒膜細胞の機能を持続させることが可能であった。
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