2000 Fiscal Year Annual Research Report
生体顕微鏡を用いたラット妊娠時子宮胎盤循環の血小板動態異常の観察
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12770915
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
片山 富博 愛媛大学, 医学部, 助手 (90304625)
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Keywords | 微小循環 / Angiotensin II / 白血球 |
Research Abstract |
(1)Angiotensin IIの妊娠ラット微小血管に及ぼす検討 子宮筋層内微小循環を検討する前に、妊娠ラットと避妊ラットの微小血管動態の反応性の違いについて検討した。Angiotensin IIを微量持続投与した場合、腸間膜微小血管の細動脈と細静脈において妊娠ラットと避妊ラット間で感受性の違いが認められた。すなわち、細動脈においては避妊ラットでは血管径の収縮が生じたが妊娠ラットでは生じなかった。また、細静脈において白血球と血管内皮の反応性に関して、妊娠ラットの反応性の方が避妊ラットよりも有為に高かった。また、血小板についても検討する予定である。つまり、妊娠ラットではAngiotensin IIは、炎症の場である細静脈への白血球の流入量を増やし、白血球と血管内皮の反応性を増加させていると考える。今後、その反応性の相違が生じる分子メカニズムと生理学的意義について検討していく予定である。 (2)妊娠ラットに内毒素を投与した場合の子宮微小血管の観察 妊娠後期ラットの大腿静脈よりipopolysaccharide(LPS)を持続投与し汎発性血管内凝固症候群(DIC)を発症させる。この状態の子宮内微小血管を高感度カメラを用いて観察した。白血球は子宮筋層内にあまり流入せず、筋膜(子宮広間膜)内の微小血管での白血球のmigrationが増加していた。つまり、炎症が生じても、白血球は子宮内に流入せず炎症をおこさないで、筋膜に流入してその場で炎症を生じることが示された。
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