2000 Fiscal Year Annual Research Report
高齢の子宮頚癌患者に特有のHPV型につしいての研究
Project/Area Number |
12770922
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
安里 剛 琉球大学, 医学部, 助手 (40253950)
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Keywords | 子宮頚癌 / HPV / PCR / 沖縄 / 検診 |
Research Abstract |
申請者は子宮頚癌患者や検診対象者からのHPVの検出と型判別を行ってきた。即ち、HPVのL1遺伝子(各型間で良く保存されている)をPCRにより擦過細胞DNAから増幅してHPVの有無を判定し(一次PCR)、陽性検体については、いわゆるhigh risk型を中心に各種HPV型E1遺伝子に対する特異的プライマーを設定して二次(multiplex)PCRを行い型を判別した。その結果、沖縄の高齢子宮頚癌患者では、一次PCRが陽性でも二次PCRでhigh risk型が検出されない頻度が本土に比べ高いことが判明した。本研究では、沖縄の高齢子宮頚癌に特有のhigh risk HPV型の有無を検証することを目的に、二次PCRでなく一次PCR産物の塩基配列決定により型判別を行っている。 1.まず、保存してある1,200以上の一次PCR産物の塩基配列決定を効率よく行う方法論を検討し、以下のプロトコールを確立した。即ち、(1)一次PCR産物を電気泳動し、バンドからDNAを精製する。(2)一次PCRに用いた5'および3'プライマーのそれぞれ5'および3'端に制限酵素認識配列(重複感染時のplasmid組み込み用)を付加した鋳型増幅用プライマーを用いて精製DNAを増幅する。(3)鋳型の塩基配列を、一次PCRに用いた5'および3'プライマーを用いて直接決定する(鋳型の末端でなく数塩基内側にアニールするため安定したデータが得られる)。(4)ホモロジー検索により、約80種類のHPV型の塩基配列のどれに最も近いかを決定する。 2.このプロトコールによって、従来の二次PCR法では検出されなかった型(全ての型についてプライマーを設定することは不可能)や重複感染例(二次PCR反応の競合のため単独感染と誤認していた)などが次々と見い出されている。既に100例以上の保存検体の塩基配列を決定済みであり、新規検体も含めて例数を増やすとともに、疫学的解析を進めている。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Nagai,Y., et al.: "Detection of human papillomavirus in primary and metastatic lesions of carcinoma of the cervic in Okinawan women, Japan"Am.J.Clin.Oncol.. (in press). (2001)
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[Publications] Maehama,T., et al.: "Prevalence of HPV infection in cervical cytology-normal women in Okinawa, Japan, as determined by a polymerase chain reaction"Int.J.Gynecol.Obstet.. 69・2. 175-176 (2000)
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[Publications] Nagai,Y., et al.: "Persistence of human papillomavirus infection after therapeutic conization for CIN 3 : is it an alarm for disease recurrence?"Gyneocol. Oncol.. 79・2. 294-299 (2000)
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[Publications] 前濱俊之 他: "健常女性におけるHPV感染の実態について"産科と婦人科. 67・6. 812-816 (2000)
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[Publications] Yamanaka,H., et al.: "A possible interaction of thioredoxin with VDUP1 in HeLa cells detected in a yeast two-hybrid system"Biochem.Biophys.Res.Commun.. 271・3. 796-800 (2000)