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2000 Fiscal Year Annual Research Report

可逆性前庭障害モデルの作成

Research Project

Project/Area Number 12770971
Research InstitutionYamaguchi University

Principal Investigator

原 浩貴  山口大学, 医学部・附属病院, 助手 (90274167)

Keywords前庭代償 / テトロドトキシン / 前庭眼反射
Research Abstract

末梢前庭機能障害ののち中枢性に機能が代償されるいわゆる前庭代償は、神経系の可塑性を考える上で、極めて興味深い現象である。これまでに用いられた前庭代償の実験モデルは、内耳破壊術による末梢前庭機能障害モデルがほとんどであったが、実際臨床上で経験するめまい症例は末梢前庭機能の部分喪失がほとんどであり、また末梢機能が回復する例も多い。そこで、本研究においてはテトロドトキシンを用い、いわゆる可逆性の末梢前庭機能障害モデルを作成する事、また作成したモデルを用いることにより、前庭代償の主体と考えられている中枢での神経伝達物質や各種レセプターの発現・分布の変化も検討することを目的とした。なおテトロドトキシンはナトリウムチャンネルに作用し、組織に永続的な形態変化を生ずることなく、一過性に神経伝達の遮断をおこす薬物であり、内耳に直接投与する事で一時的に前庭入力を遮断することが可能であるといわれている。
今年度は、モデル動物を作成する準備として、テトロドトキシンによる末梢前庭機能障害が可逆性である事を確認する為、テトロドトキシンを用いた一過性前庭障害モデル動物を作成し、前庭眼反射(VOR)の測定と内耳の形態学的変化の有無についての検討を行った。まずモルモットのVORを持続回転装置と赤外線CCDカメラを用いた眼球運動解析システムにて測定した後、全身麻酔下に右側中耳骨胞を開放し、正円窓部にテトロドトキシンを含ませたゼルフォームを留置し閉創した。その後、術直後から24時間後まで3時間毎に、さらに術後1日目からは24時間毎にVORを計測し、術後3日目と7日目に断頭した。両側内耳を摘出し、内耳はプラスチック包埋した後5μmの準超薄切片を作成し、光学顕微鏡下に観察した。この結果、テトロドトキシンによる前庭眼反射の障害は24時間以内に回復し、形態学的にも明らかな内耳障害を来さない可能性が高いと考えられた。

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Published: 2002-04-03   Modified: 2016-04-21  

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