2000 Fiscal Year Annual Research Report
Ephおよびephrinファミリーによる哺乳類内耳再生制御の分子メカニズム
Project/Area Number |
12770988
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
松永 達雄 国際医療福祉大学, 保健学部, 助教授 (90245580)
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Keywords | 有毛細胞 / 再生 / Eph / ephrin / ラット / 免疫組織化学 / 培養 / RT-PCR |
Research Abstract |
成熟ラット前庭内耳におけるEphA5、EphA6、EphA7、EphB1、ephrinA2、ephrinB1の局在を各分子に対する抗体を用いて免疫組織化学により検討した結果、それぞれ感覚上皮支持細胞、発現なし、有毛細胞基底部、感覚上皮、上皮下線維細胞、感覚上皮有毛細胞層であった。前庭神経節ニューロンではこれらすべての分子の局在を認めた。Western blot法とRT-PCR法による検討結果は、免疫組織化学の結果を支持するものであった。 成熟ラットのゲンタマイシンによる内耳有毛細胞の傷害では、光顕および電顕レベルでの形態学的検討により投与終了1週後では有毛細胞の変性、神経終末の破壊、4週後では未熟な有毛細胞の出現、8週後では再生有毛細胞の増加とシナプスの形成が認められることを確認した。今後これらの傷害と再生の各段階におけるそれぞれの分子の発現を、上述した方法を用いて検討していく。 生後5日ラット前庭神経節ニューロンの初代培養では、48時間の培養後に神経マーカーとしてのニューロフィラメント200に対する抗体を用いてその生存と神経突起の形態的特徴をとらえることが可能であった。またこの培養ニューロンにおいてEphA5、EphA6、EphA7、EphB1、ephrinA2、ephrinB1が発現されていることを2重蛍光法を用いて証明した。今後は、これらの受容体に対してリガンドを加えることが神経突起の進展・分枝に及ぼす影響を検討していく。
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