2000 Fiscal Year Annual Research Report
糖尿病ラット脈絡膜における一酸化窒素合成酵素の生化学的解析
Project/Area Number |
12771015
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
桜井 真由美 金沢大学, 医学部, 助手 (50303269)
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Keywords | 糖尿病 / 脈絡膜 / 一酸化窒素合成酵素 |
Research Abstract |
1 ストレプトゾトシン誘発糖尿病(STZ-DM)ラット脈絡膜で減少する一酸化窒素合成酵素(NOS)アイソフォームの同定 誘導型NOS活性は酵素反応系のCa^<2+>に依存しないことから、NOS活性測定系よりCaCl_2を除き1mM EGTAを加えて、STZ-DMラット、対照ラットのNOS活性を測定したが、誘導型NOS活性はいずれも検出されなかった。 一般に神経型NOSは可溶画分に、内皮型NOSは膜画分に主に存在することが知られているため、可溶画分と膜画分を分画しそれぞれのNOS活性を測定したところ、可溶画分、膜画分ともにNOS活性はSTZ-DMラットにおいて有意に減少していた。また、各画分のウエスタンブロットを行い、各NOSアイソフォームの相対的タンパク量を調べた。ラット脈絡膜では神経型NOSは可溶画分、膜画分ともに存在し、両画分においてSTZ-DM ラットで減少していた。内皮型NOSは可溶画分にはほとんど存在せず膜画分に存在した。各画分における活性の割合は、神経型NOSタンパク量の割合と一致した。 以上より、STZ-DMラット脈絡膜NOS活性の減少はおもに神経型NOS活性の減少であると考えられた。 2 糖尿病脈絡膜における神経型NOSのmRNAレベルの変化 STZ-DMラットより脈絡膜poly(A)^+RNAを抽出し、神経型NOSについて半定量的RT-PCRを行い対照ラットと比較したが、有意差は認められなかった。また、ノーザンブロットにおいて、脈絡膜と同程度のNOS比活性を持つ小脳と比較して、脈絡膜の神経型NOS mRNAが非常に少なかったことから、脈絡膜の神経型NOSは神経軸索あるいは終末に存在すると考えられた。
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