2001 Fiscal Year Annual Research Report
TGF-β培養マクロファージによるベーチェット病の抗原特異的治療の検討
Project/Area Number |
12771049
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
竹内 大 東京医科大学, 医学部, 講師 (40260939)
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Keywords | 抗原提示細胞 / TGF-β / マクロファージ / 免疫抑制 / ACAID / 免疫特権部位 |
Research Abstract |
健常人7名(男女比3:2、平均年令28.3歳)、ベーチェット病患者8名(男女比4:1、平均年齢39.2歳)を対象に、その末梢血20mlを採取した。末梢血よりリンパ球比重分離液(Ficoll^<【○!R】>)にて単核球を分離し、その中の付着性細胞(マクロファージを含む)をTGFβ(5ng/ml)の存在下または非存在下で3時間培養することによりTGFβ培養、非培養マクロファージを作成した。そしてそれぞれのCD14陽性細胞におけるMHC class I, MHC class II, B7-1, B7-2, CD40の発現をFACSにて解析した。また、T細胞との混合培養を行い、T細胞増殖反応、サイトカイン産生能に対する影響を検討した。その結果を以下に示す。 1.MHC class I, class IIの発現は、健常人と比較してベーチェット病患者で増強している症例がみれらたが、健常人、ベーチェット病患者間で有意差はなかった。TGFβとの培養によるMHC class I, class IIの発現変化は健常人、ベーチェット病患者両群においてみられなかった。 2.B7-2, CD40の発現は、健常人と比較してベーチェット病患者で増強していたが、有意差は認められなかった。TGFβとの培養によるB7-2の発現変化は健常人、ベーチェット病患者両群においてみられなかった。CD40の発現はTGFβとの培養により軽度の減弱がみられたが、有意差はなかった。 3.B7-1の発現は、健常人においてもベーチェット病患者においても低く、有意な結果は得られなかった。 4.T細胞増殖反応、interferon-gamma産生は、ベーチェット病マクロファージ刺激で最も強く、その刺激能はTGFβ培養マクロファージで減弱していたが、有意差は認められなかった。 上記のように、いくつかの傾向はみられたが、統計学的有意差は得られなかった。今後はDNAマイクロアレイを用いた遺伝子発現解析を併用することにより、今回得られた結果を立証していく予定である。
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