2000 Fiscal Year Annual Research Report
RSVによる培養肥満細胞刺激とプロスタグランジンD2の産生
Project/Area Number |
12771052
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
高野 洋之 東京歯科大学, 歯学部, 助手 (10276339)
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Keywords | Gene Chip / アラキドン酸 / ケモカイン / RSウィルス |
Research Abstract |
サイトカインやケモカインには豊富な種類があり、それらの産生がそれぞれどの程度誘導されるかは検討できなかった。そこで、多種類のmRNAの発現量を同時に測定することができるGene Chipを用いて検討した。方法はヒト角膜実質細胞初代培養細胞を、IL4(30ng/ml)およびTNF-a(30ng/ml)添加後24時間培養した。Trypsin-EDTAにて細胞を回収し、RNeasy mini kitを用いてtotal RNAを抽出し、逆転写反応によりcDNAを得た。in vitro転写反応およびビオチンラベル化によりbiotinated cRNAを得た。fragmentationの後、GeneChip(Affymetrix社製Human Genome U95A Array)上のprobeとhybridizationさせ、streptavidin phycoerythrinで染色し、wash後にGene Array Scanningにて測定した。結果;今回用いたGeneChip(Human Genome U95A Array)は約12000種類のヒト遺伝子について解析が可能であった。CXCケモカインについては、21種類がこれまでに報告されており、そのうち14種類が今回解析可能であり、IL-8をはじめとする8種類のCxCケモカインの発現がIL-4+TNF-aの刺激で3倍以上増加した。CCケモカインについては、33種類が報告されており、解析可能は18種類、そのうちeotaxin、RANTESをはじめとする4種類の発現が3倍以上増強した。CX3Cケモカイン、Cケモカインの発現増強は認められなかった。結論;Gene Chipは、一定の条件下での多くの種類のRNA発現を同時に検索することができる、非常に有用な手法であると考えられた。今回の結果から、多くの種類のケモカインが同時に変化して病態を形成しているであろう事、また好中球に対して強い作用を持つケモカインが相当量動いていることから、角膜組織傷害への好中球の関与も今後さらに検討されるべきであろう事が示唆された。以上の結果をふまえて、現在RSV感染後のサイトカインやアラキドン酸代謝系がどういった動きを行うか検討中である。
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