2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12771057
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
宮代 美樹 関西医科大学, 医学部, 助手 (00288838)
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Keywords | 一酸化窒素合成酵素 / 眼内血管新生 / 脈絡膜新生血管 / 低酸素網膜症 / 血管内皮細胞増殖因子 |
Research Abstract |
一酸化窒素合成酵素(以下NOs)の眼内血管新生に対する影響を調べるためにレーザー光凝固による脈絡膜新生血管、低酸素網膜症、VEGFトランスジェニックマウスによる網膜新生血管の発生の3つの眼内新生血管発生モデルについて検討を行っている。NOsはiNOs,eNOs,nNOs3つのsubtypeからなるが、平成12年度はeNOsについての検討を行った。eNOsのノックアウトマウスを準備し、クリプトンレーザーを使って強度レーザー光凝固を行い、脈絡膜新生血管を発生させ、2週間後に眼球摘出して出来た脈絡膜新生血管の大きさを定量して比較した。対照群としてeNOsのへテロザイゴスを用いた。脈絡膜新生血管の大きさはeNosノックアウトマウスでは対照群と比較して有意に小さかった。次に、低酸素網膜症を誘導して出来た網膜新生血管の大きさを比較したeNosノックアウトマウスでは対照群と比較して網膜新生血管の発生が有意に抑制されていた。さらに、VEGFが網膜視細胞で多量に発現するように遺伝子導入を行ったVEGFトランスジェニックマウス(以下VEGFtg)とeNOsノックアウトマウスをかけあわせる実験をおこなった。VEGFtgはへテロザイゴスでも網膜内層から網膜色素上皮細胞層に向かって網膜新生血管が発生する。eNOsノックアウトマウスではVEGFによる新生血管の発生がその数、面積共に少ない結果であった。これらの事から、eNOsに関する限り、眼内新生血管発生に重要な役割を果たしている事が証明された。今後、他のsubtypeについての検討を行っていく予定である。
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