2000 Fiscal Year Annual Research Report
頭部オーガナイザー形成と頭部形成機構の解析系の開発および分子発生学的解析
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12771079
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
太田 正人 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (70313228)
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Keywords | 頭部オーガナイザー / 哺乳類の頭部誘導機構 / 原始内胚葉 / 微量組織片移植術 |
Research Abstract |
頭部の形成は、内部細胞塊の一部から原始内胚葉と呼ばれる細胞が分化することから始まり、この原始内胚葉から生じる臓側内胚葉の一部、遠位部が頭側へと移動しつつ、頭部形成に必要な前方化シグナルを外胚葉上皮に与え、頭部および心臓などの前方構造物を誘導する一方、原腸陥入によって生じた中内胚葉が胚体を覆い、前方部の上皮と相互作用しつつ頭部構造を形成していくと考えられている。本研究では、レチノイン酸によって原始内胚葉に分化する胚性腫瘍F9細胞の分化誘導系と鶏胚への細胞移植法を組み合わせたアッセイ法を確立し、原始内胚葉が実際に頭部構造の誘導に直接関与するかどうかについて検討を試みた。レチノイン酸によって原始内胚葉へと分化誘導されたF9細胞を鶏卵へ移植したところ、拍動する心臓および頭部様構造物が形成されたものの、尾部の形成が阻害された。また、平成12年4月から7月半ばまでの3カ月余りをかけてオーストラリアChildrens Medical Research Institute (CMRI)のPatcick Tam博士とLim-1,Otx2などの頭部形成に密接に関わる遺伝子のノックアウトマウスを用いた解析の共同研究を行い、微量組織片の移植による直接的な哺乳類の頭部誘導機構の研究方法の手技を習得した。現在はマウスオーガナイザー領域を用いた微量組織片移植術によるアッセイ法の開発に取り組むと同時に、アデノウイルスベクターを用いた遺伝子導入法により頭部形成機構に関与する遺伝子の影響を形態学的手法を用いて解析している。なお、これらの結果の一部については平成12年度阿蘇シンポジウムにて発表した。
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