2000 Fiscal Year Annual Research Report
口腔扁平上皮癌の頚部リンパ節転移に対するMRI、CT、超音波検査の検出能の比較
Project/Area Number |
12771128
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
内田 朱美 九州歯科大学, 歯学部, 助手 (90232842)
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Keywords | 口腔扁平上皮癌 / 頚部リンパ節転移 / 造影CT / 病理組織所見 |
Research Abstract |
口腔癌患者において、リンパ節や遠隔臓器への転移の有無は予後を大きく左右する因子とされているが、私たちは「リンパ節転移」に注目し、治療成績向上を図るため、転移の有無を早期にしかも確実に検出するにはどうすべきかを明らかにするため本研究を進めた。現在リンパ節転移の判定に際しては触診のみならず様々な画像検査が施行されているが、本研究ではMRI検査、CT検査および超音波検査に焦点をあて、転移リンパ節の画像所見の特異性を明らかにすべく、家兎を用いた動物実験を施行し、画像所見と摘出リンパ節の病理組織所見を対比した。実験には成熟雑系雄性家兎を用い、移植腫瘍は扁平上皮癌と組織型が類似し家兎に可移植性のVX2癌を使用した。腫瘍移植後に経日的観察を行い、所定期間飼育後、エーテル麻酔下で剃毛し、超音波検査を行った。続いて、体重により使用量を調節した非ヨード系造影剤オムニパークを静脈内に投与し、CT検査を行った。家兎体内からの造影剤排出を待ち、次に体重により使用量を調節したガドリニウム製剤マグネビストを静脈内に投与し、MRI検査を行った。それぞれの画像検査結果をもとにシェーマ内に頚部リンパ節の位置を直ちにマッピングし、病理組織所見との対比にむけ画像上の特徴を分析、把握することを試みたが、現在に至るまで、有効な実験結果は得られていない。今後は、有効な画像を得るために、リンパ節転移のStage診断をより正確に行い、造影剤の使用量や検査開始時間の調整をさらに精密に行いたいと考えている。また、以前より行っていた、本学附属病院を受診した口腔扁平上皮癌患者の術前の画像検査結果と、術後に得られた様々な病理組織結果の対比は、さらに対象症例数を増やし、画像所見に大きな影響を与える病理組織学的因子が少しづつ明らかになりつつある。
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Research Products
(1 results)