2000 Fiscal Year Annual Research Report
金属アレルギーの観点からの掌蹠膿疱症のメカニズムの解析
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12771139
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
樋口 繁仁 東北大学, 歯学部・附属病院, 助手 (10291262)
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Keywords | 掌蹠膿疱症 / 歯科用金属アレルギー / パッチテスト / 定性分析 / アレルゲン / 原因除去療法 / 歯性病巣感染 / 腐食 |
Research Abstract |
掌蹠膿疱症は手掌と足蹠に限局する無菌性膿庖を主徴とした難治性皮膚疾患で、その機序および治療法など各種研究が為されている。耳鼻咽喉科領域においては扁桃病巣感染症の二次疾患として考えられているが、発症機序についてはいまだ不明な点が多い。歯科領域における根尖病巣の治癒、辺縁性歯周炎の治療といった口腔内の病巣治癒により快方に向かう場合も確認されており、原因は複雑かつ多様性に富んだ疾患と考えられる。これら原因の中で、特に注目されているのが、歯科用金属アレルギーである。現在は原因除去療法により多数の掌蹠膿疱症患者を治癒させることが可能になったが、本研究では、掌蹠膿疱症の発症メカニズムと金属アレルギーの関係に注目し、以下の結論を得た。 1.金銀パラジウム合金単独の溶出挙動は乳酸中および生理食塩水中においてもAgとCuの溶出イオンは確認できたが、その他合金成分のAu、PdおよびZnは検出限界以下であった。白金加金単独の溶出挙動は乳酸中および生理食塩水中においてもZnとCuの溶出イオンは確認できた。 2.金銀パラジウム合金と他の金属の接触時の溶出イオンについては、Ti合金の接触では、金銀パラジウム合金単独浸漬の際に溶出したイオン量と同程度Tiイオンの溶出がみられた。ニッケルクロム合金の接触時にはNi、Crイオンの溶出量が多かった。白金加金と他の金属の接触時の溶出イオンについては、Ti合金の接触では、ZnとCuおよびTiイオンの溶出がみられた。Ni-Cr合金の接触時にはNi、Crイオンの溶出量が多く、Ni-Cr合金単独浸漬のNi、Crの溶出量より増加する結果が得られた。 3.当科外来に来院した掌蹠膿疱症患者についての傾向は、喫煙率が非常に高く、男女比は女性が有意に多く、年齢は中高年以上が多い傾向がみられた。また、パッチテストによる感作アレルゲン金属はNi、Pdが有意に多かった。
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Research Products
(2 results)