2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12771173
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
五十嵐 直子 新潟大学, 歯学部, 助手 (20313520)
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Keywords | 頭頸部 / 咀嚼 / 下顎運動 / 頭部運動 |
Research Abstract |
[研究目的] 本研究は、頭頸部の運動と顎機能の相互関係を明らかにするために、顎機能の一つ、咀嚼時における頭頸部の運動に焦点を当て、顎と頭頸部の協調運動の存在とその制御機構について調べたものである。 [研究実績] 1咀嚼運動時の頸筋活動様相と頭部動態の解析 実験にはウサギを用いた。加速度計によって頭部運動を記録し、磁気センサーによって下顎運動を記録した。また、頸筋(頭半棘筋・頭板状筋・胸骨乳突筋)と咀嚼筋(咬筋)から筋電図を記録した。記録は、無麻酔・無拘束下で動物が自発的にニンジンを咀嚼している際に行った。 頭部加速度は周期的な変化を示し、その周期は、下顎運動の周期と一致した。頭部は開口時には後屈し、また閉口時には前屈して、下顎運動と相反する推移を示す。頭部の後屈筋である頭半棘筋と頭板状筋の活動は、持続的だが最大開口時には減少した。頭部の前屈筋である胸骨乳突筋は、咀嚼時に二峰性の活動を示し、各々の活動ピークは閉口後期と開口後期に見られた。 2皮質誘発性咀嚼様運動時の頸筋活動様相の観察 麻酔下頭部固定状態での皮質誘発性咀嚼様運動時に、下顎運動と頸筋および咀嚼筋筋活動の記録を1と同様に行った。 後屈筋である頭半棘筋は咀嚼様運動に伴って持続的な活動を示し、下顎運動に同期するようなリズム性活動は見られなかった。胸骨乳突筋は、空口咀嚼の場合は周期性の活動はほとんど見られなかったが、木片を咬合した場合には、ほぼ閉口相に一致する活動を示した。 これらの結果から、胸骨乳突筋の閉口時の活動が、咀嚼時の頭部運動の発生に関与していることが推測される。
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Research Products
(1 results)