2000 Fiscal Year Annual Research Report
歯質・修復物接着界面におけるマイクロクラック発生メカニズムの検討
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12771182
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
吉田 靖弘 広島大学, 歯学部, 助手 (90281162)
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Keywords | 接着性セメント / グラスアイオノマーセメント / マイクロクラック / 透過型電子顕微鏡 / TEM / 原子間力顕微鏡 / AFM / アモルファス層 |
Research Abstract |
本研究では,(1)修復物と歯質との接着界面に微少荷重を与えたときの形態変化をナノ・レベルで観察,さらに(2)接着性セメントの組成とマイクロクラックの発生メカニズムの関連性を検討することにより,耐久性の優れた新しい歯質接着システム開発のための基礎的知見を集積することを目的とした。初年度は特にレジン強化型グラスアイオノマーセメントと象牙質との接着性に焦点を当てた。実験方法としては,まず,抜去歯牙(抜去後1ヶ月以内)の象牙質に対して各種市販レジン強化型グラスアイオノマーセメントにより修復を行い,ダイヤモンドナイフにて超薄切片を作成し,透過型電子顕微鏡(TEM)および原子間力顕微鏡(AFM)を用いて荷重負荷前の歯質・修復物接着界面を超高倍率にて観察した。その結果、いずれのタイプのレジン強化型グラスアイオノマーセメントにおいても,構造欠陥等はTEMおよびAFMにて観察されず,負荷を加える以前は象牙質に対して良好な接着形態を示すことが示唆された。また,レジン強化型グラスアイオノマーセメントの象牙質接着界面は、形態学的に大きく分けて,(1)Hybrid layerを形成しているタイプ,(2)Hybrid layerを形成せず未奪灰の象牙質に直接結合しているタイプの2種類に分類され,また,(1)にタイプはさらに,(ア)象牙質とレジン強化型グラスアイオノマーセメントの接着界面にアモルファスな層が形成されているもの,(イ)アモルファスな層が形成されていないもの,の2通りに分類された。X線光電子分光法にてこのアモルファスな層を化学的に分析した結果,この層はセメントの主成分であるポリアルケン酸が象牙質から遊離したカルシウムと反応し,ゲル化した層であることが明らかとなった。
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