2000 Fiscal Year Annual Research Report
リンガライズド・オクルージョンにおけるブレーシング・イコライザーの効果について
Project/Area Number |
12771200
|
Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
五味渕 泰造 日本歯科大学, 新潟歯学部, 助手 (70307974)
|
Keywords | 咬合様式 / リンガライズド・オクルージョン / ブレーシング・イコライザー |
Research Abstract |
リンガライズド・オクルージョンにおける後方へのブレーシング・イコライザー付与部の傾斜度が有床義歯の安定性にどのように関与するかを明らかにする目的で,実験用義歯にブレーシング・イコライザー付与部の傾斜度が異なる咬合面形態を構成し,義歯の挙動を比較,検討する.実験には,エポキシ樹脂製上下無歯顎模型の床下粘膜相当部を軟性ラバーで置換した模型を使用し,咬合様式として両側性平衡型リンガライズド・オクルージョンを構成した実験用義歯で,下顎臼歯部咬合面のブレーシング・イコライザー付与部の傾斜度を10°,20°,30°としたものを各々製作した. 実験には既設のインストロン型精密万能試験機(島津製作所社製オートグラフAGS-500D)を用い,等速荷重にて上顎義歯を中心咬合位の位置まで咬合させた時の下顎義歯の挙動を測定した.下顎義歯の挙動は測定部位として,切歯点と左右大臼歯部義歯床研磨面に咬合平面に垂直となるようにアルミ製の四角柱を設定し,これに対してレーザー変位計をそれぞれ直交するように設置して測定を行った.いずれの実験用義歯も咬合調整を十分に行うことによって早期接触部および,咬頭干渉部を除去した. 実験の第1段階として,被験食品を咬合面間に介在させない状態で下顎義歯の挙動を測定した結果,後方のブレーシング・イコライザー付与部の傾斜度の違いによる影響はほとんど認められなかった.また,下顎義歯は等速荷重を行なった結果,前歯部と臼歯部ともに,咬合平面に対して垂直方向の沈下が認められた. 今後は,実験の第2段階として,被験食品としてカマボコ,ピーナッツ,タクアン,ニンジンの被験食品を介在させ,食品介在時の下顎義歯の安定性を比較検討し,義歯に対する側方力を減少させる上で有効なブレーシング・イコライザーの形態について明らかにしていく予定である.
|